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実践的理念経営のための処方箋

理念やビジョンはなくても困らない?

日々の仕事に理念やビジョンがなくても何も困らないという人がいます。また理念やビジョンを策定するプロジェクトのおいて「この業務は現場の仕事から遠いなあ」という人もいます。正直な気持ちの吐露なのでしょう。

最近直接伺ったある経営者の言葉です。「自分は何か難しいことをやってきたわけではない。自分の中にある自然な気持ちから出来上がった理念があるのだから、それにしたがって考え判断してきただけだ。」
これまた正直な気持ちの吐露なのでしょう。

両者は両極にあります。 会社においてはトップから一般の社員まで階層はあるものの多かれ少なかれ判断をしています。
その際に何に照らして判断するのかと言えば理念とビジョンではないでしょうか?

碁盤や将棋で言えば縦横の交点に手を打っていきます。日々の仕事においてもこの仕事の目的は何か、そして目指すべき目標は何かといったように目的と目標の交点を考えながら具体的な手を打っていく必要があります。その軸がない中で日々の仕事をしていること自体が大問題なのです。

アメリカのノードストロームの唯一の行動指針は、「どのような状況においても自分で考え最善の判断を下すこと」Use your good judgement in all situations. だけです。 目的は顧客を幸せにすることですから、そのためには自分ですべて考えて行動することが求められています。自ずとそれにふさわしい自主性を発揮する企業文化が育ちます。