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実践的理念経営のための処方箋

見立てること

PDCAと言えば皆さんすぐ仕事のサイクルだと思われます。でもP(Plan 計画する)前に状況を分析してこそ計画ができるのではないでしょうか。
分析のことをA(Analysis 音を合成する装置をシンセサイザーと言いますがその逆ですね)と言います。つまりAPDCAなんです。 最後のAはActionです。
もっと言えばAPなしでいきなりD(Do)に入り込む傾向が強くなっているのが最近の特徴だなと感じます。 
背景はいろいろあるでしょうね。 LANでネットワークされたパソコンがオフィス業務に広く使われるようになって20年ぐらいでしょうか。 PCの普及とともにいつも画面を見ている、キーボードをたたいているというような業務スタイルになりました。速度や効率化がキーワードです。そしてとにかく忙しさが半端ではない会社が多いので、仕事の「量」をこなさないといけない等々いろいろあります。
一方で、じっくり物事の根拠(根本の拠り所という意味ですね)、目的、などを考え抜いて、そのうえで具体的な状況を分析するという「質」の面の比率がどんどん希薄化している感じがします。森のきこりの話です。 木を切っているとだんだんのこぎりの歯が切れにくくなってきました。 旅人が通りかかり、「木を切るのをやめて歯を研いだらどうか」と言ったのですが
きこりは「冗談ではない。忙しくてそんな暇はない」と。「行為の間の内省、reflection among action」これはP.センゲの言葉です。
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直観やひらめきももちろん重要ですが、何か課題が与えられるととにかく「すぐ着手する」という反応は瞬時に頭の中で暗算回路が働いて合理的な状況分析や取り組み方法が論理的に見立てられていればいいのですが、複雑高度な状況には役に立ちません。 走り出してから考える、から 考えてから走るへの意識づけが幹部層には特に求められるのではないでしょうか。経営資源を配分し、組織を動かし、メンバーの心理的納得感のある動機づけも醸成するという仕事ですから、すぐに手を動かさないこと、状況を見立てる思考の質が大事だと思います。スジの悪い思考では組織へのダメージは計り知れません。
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全てのものは二度作られる、頭の中で設計図を書くという第一の創造を経て実際に家を造るわけです。この第一の創造の部分をもっと重視しないと結局無駄、非効率で非論理になってしまいます。私たちの身の回りにあるものすべてが人間の理想への想いや思考が起点となって具体的な形となります。その理想への想いを持たずに形だけの行動をしていても何も伝わるものはありません。プラトンはこの理想への想いのことを「イデア」と言いましたが、現実はイデアを追い求めるものであるという、二元論です。人々の人生にお役にたちたい、こんな困っていたことに光明を提供したい、と私たちの理想を求める想いこそが人々の胸を打つ、感動を創造できる入口ではないかと思います。
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じっくり考えずに即行動に移すのは長年の習慣でこれを粘り強く修正していくことです。 私どもはクライエント企業様においてはそのようなスジの良い合理的思考によって見立てる力、分析する力の強化も行っております。大きな変化の前の小さな兆候が表れてくるのにさほどの時間はかかりません。日々変わり続けること、成長し続けること、そのための努力を惜しまないことを通じて、企業業績の向上が後からついてくるのですが、努力せずに結果を求めることは経営の王道ではありません。企業は世のため人のため、社員のもてる潜在能力を顕在化させる場であり、そのことが社員の幸福につながります。ローマは一日にしてならず、です。
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