まずは「理念」という言葉の意味を整理してみよう。

こんにちは。
今日は少し歴史も交えて、理念関係の言葉の整理をしたいと思います。
私が推薦する体系的にかつ深くまとめてあるすばらしい本があります。
足立光正(あだちてるまさ)先生の著書「企業理念開発プロジェクト」ダイヤモンド社から出ている本です。その中から要旨を少し引用してご紹介したいと思います。
日本の伝統的な経営理念の形式として 社是と社訓がありました。
① 社是とは「経営者が善しとする価値基準を簡潔な言葉で示した理念」で含蓄のある短い言葉たとえば「和」とか「感謝」などですが一般社員にはわかりにくい理念です。
② 社訓とは「経営者が理想と考える従業員のあるべき姿を「教え諭す」という調子で語ったものと されています。
③ 次に経営理念です。1980年代に入って企業情報公開が意識されるようになり、企業情報のパンフレットに古色蒼然たる社是・社訓をそのまま掲載すえるわけにいかずに企業経営の基本的な考え方を急遽まとめて「経営理念」として時代にふさわしいものにしたのです。わが社がどのような経営をする会社かを示したものです。
「経営理念」はあくまで「経営の考え方」を示す理念であり、一般社員の心情とは直接関係ない理念ですから、社員は経営者の指示のもと黙々と働いていればいいのかという問題があります。そして外部にも発表する理念として「経営理念」は果たしてお客様との共感性の観点からふさわしいのかという問題も意識され始めました。
④ そこで次世代の理念として「企業理念」が注目されるようになったのです。「企業理念は企業が活動をしていく上での基本的価値観」「社内外に企業の使命と活動の仕方を宣言する理念」であると定義されています。
以上を、まとめますと「経営理念」は「経営者の理念」です。
一方「企業理念」はその企業に属する全員が共有化すべき基本的価値観を示す理念で、全員が「自分の理念」として日常活動に活かしていく理念です。
また企業理念は「企業自体の理念」でもあり、わが社はどのような使命のもとにどのような経営をし、全社員がどのように活動する会社かを宣言するものなのです。
組織の全員が「私の企業理念」として信奉し、実践していける理念です。
私が企業変革の原動力として重視する理念は「企業理念」のことです。(あるいは多角化している企業の中で事業部門ごとの「事業理念」のことです。)社員が企業や事業そのものの使命を認識し、一つ一つの仕事に理念を持って挑戦し続けること、これが企業変革の本質だと思います。与えたり押し付けたりしないで全社員で考えるという点に特徴があります。